日々是情報教育?日記

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2007年06月15日 金曜日 [長年日記]

_ 「それが僕には楽しかったから」~Just for fun~

情報教育とはほぼ関連がないけれど,久しぶりに掘り出して読み返してみた本。かのLinuxを生み出したリーナス・トーバルズ,Geek界の英雄が共著者となっている半自伝だ。

初読は2002年,それから三度目ぐらいの読み返し。自宅WebサーバをRedhat Linux7.2で運用するようになった数年前にオープンソースというものに興味が出てきて購入したのだったと思う。自分の中のGeek的傾向がこの本に共鳴したのか,読んで一発で魅了されたのを思い出す。OSのコア部分開発中の彼の回想は,自分などには随分ワクワクさせてくれる部分だ。

中でも心に残った主張。リーナスが自称するGeekとは日本では「オタク」ということに翻訳上はなるのだろう。が,その「オタク」こそが問題を徹底的に掘り下げて解決していく素質を持った人間だ…という彼の主張を自分なりにウラ読みすると,日本的「オタク」とあちらでで言う"Geek"の違いを感じてしまう。表面上の性向やファッションの類似性はさておき,本質において両者は随分と違うカテゴリーの人間なのかな,それともGeekのヒエラルキーの中で,上層と下層の質の違いというだけなのかな…と愚考させられる。

そして再読した今回読んで感じたこと。オープンソースの世界とアカデミズム(研究?)の世界が本質的には同じであるという主張。成果を共有し公開する姿勢こそが両者の発展・深化を保証するシステムなのだ…という主張は,これまで読んでいた中ではピンと来なかったのだが,今回はこれが最も印象的な読後感となった。

それと同時に,彼の出身国であるフィンランドの教育システムに関していくつか印象に残ったことがあった。PISA型読解力を機に盛り上がった教育界のフィンランドブームだけれど,この本を最初に読んだときにはブーム以前だったので,そういう視点からは当時は読めなかった。ところが,ブームの後で今回リーナスの素質を育て得たシステムとしてのフィンランド教育界というのをウラ読みすると,なんとなく背後にいろいろなものが見えるような気がして,面白かった。

次は「伽藍とバザール」を読もうかなと思っているところ。