内留見聞記6 2002年6月9日(日)

 ともだち100人プロジェクト 東京 大崎 アドビ本社会議室

 

「ともだち100人プロジェクト」は金沢大中川一史先生をチーフとする文部科学省生涯学習フェスティバル石川大会の中のプロジェクト。自分は研究室内地留学生として、オブザーバーとして参加させてもらう事になった。

アクティブな実践家が全国から馳せ参ずるといういつもの中川プロジェクト。

和やかでいながらどこかぴりっとした雰囲気の中、会がスタートする。

 

今回は11名の先生方、それにアドビのD-pro事務局北川さん、文部科学省生涯学習局の係長さん、ナショナルセンターの所長さんも出席されている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

挨拶と会の趣旨説明の後、自己紹介。

上谷さん(三重)、中條さん(石川)、山下さん(石川)、坂上さん(石川)、森山さん(神奈川)、竹田さん(山形)、佐和さん(千葉)、清水さん(石川)、益永さん(鹿児島)、白江さん(富山)、佐藤さん(神奈川)…

少人数ではあるけれどNEWやパソティア常連の方が一同に会している印象。

 

これで交流学習を仕組もうというんだから、何とも豪華である。

 

さっそく、交流の内容についての検討に入る。

 

最初は植物栽培ネタの仕掛け作りについて提案と討議。益永さん@鹿児島から、鹿児島グループの「大根プロジェクト」の取り組み経験をもとに以下のような提案があったのが印象的。

 

益永 「桜島大根で宮崎の水野先生と昨年交流した。グループのテレビ会議交流を昼休みに行っていた。歌などの交流にも発展した。テーマについては必ず交流、あとは自由に交流という形で交流していた。桜島大根の重さを競う交流だったので、盛り上がった。そのような観点がないと弱いのではないか。」

 

さすがに交流学習の実践を重ねている方の発言だと感じた。交流の視点をきちんと持つという意味で以下のように次々に実践のポイントを押さえた貴重な発言が聞けて、いちいち納得することばかり。

 

佐藤 植物関係の山場づくりが問題。育たないときのこと、収穫に時期などが話題になっている。そのへんを教師が踏まえて交流につなげれば。

 

佐和 学校としては交流が続いている。カラスに食われたような、あるいはダンゴムシに食われたようなトラブルが試行錯誤から学びが始まると考える。土の問題もある。収穫後どうするか。実の出来方。これらを話題にしていけばよい。

 

中條 落花生でもゴーヤでも浅く広く学校が関わっている。それに加えて深く関わる数校をも考えている。そのようにしないと、雑多な情報が流れて深まらない。なにか共通になるテーマ(大きさ、数)などを設定してまとめをしていくことがないと、広く学校が関わっているメリットが出ないのではないか?

 

 

 

白江 掲示板にテーマ別にどの学校が参加しているか常に見えるようにしてあるといいと思う。定期的な交流の日も決めるとよい。共通の意識を整える環境作りが必要だと思う。

発言はここには全て上げられないが、やっぱりみなさん只者ではない。交流学習の手練れ全員集合!という感じでびしびしツボをつく発言が飛び交う。すごいな。

 

この後も、佐藤先生の「絵のリレー」プロジェクト、上谷さんと中條さんの「創作デザートコンテスト」プロジェクトなど、興味深い「仕掛け」作りがどんどん討議されていく。

 

佐藤先生提案の「絵のリレー」は、D-project第一回東京オフの時の「連画」デモンストレーションからの発展、文句なく楽しそうな交流学習だと直感。ネット上で小学生が創作コラボレーションなんて、なんともすごい時代だと思う。

掲示板システムのインターフェイスについて議論。「連画」の変遷プロセスを切らないようにするための指導のポイント、ツリーシステムなど、システム部分での問題が若干懸念されるところだけれど、これは経過が楽しみなプロジェクトになると思う。

 

上谷さんと中條さんの「創作デザートコンテスト」は、2校限定の「深く突っ込む」型交流学習。メディア選択能力を意識した交流実践という仕掛けも中條さんならでは。

実はこれって、前夜の飲み会で中條さんと上谷さんが飲みながらプロットを構築していった(!?)という、「情報教育は夜作られる」という名言を地でいくプロジェクトなのである、実は。(というのは秘密なんだけど (^^) )

 

交流のネタそのものに興味が集中するのではなく、交流学習をなぜするのか?という学びの原点を突っつく部分を持っている実践計画である事が「うまいなあ…」と言う他ない。

お手伝いで絡ませてもらえそうなので、これまた楽しみ。

会の最後に、参加校に配布されるIPテレビ会議システム「V-chatのデモンストレーション。ジャパンメディアシステムの浅見さんが、PHSでネットにつないだノートPCを使って実演。

PHSの64kbpsの帯域ではさすがに動画は苦しいが、音声は遅延こそ目立つものの十分にクリアであることに驚いた。そこそこの広帯域環境ならば「使えそう!」という印象

 

IPマスカレードのかかっている所内LAN内のPCからもビデオチャットができるというこのシステム。海外では「Eyeball」システム(フリー)でも実現されている。以前のEyeballの試用では、音質がかなり悪かったことを考えると、V-chatのアドバンテージは音声のクリアさにあると感じた。

 

問題は、NAT対応とはいえ、特定の3つのポート開放が条件という接続環境にある。参加校のネットのセキュリティーポリシーがそれをクリアしているか…。

一般使用で、家庭用ルータ越えは大丈夫でも、教育用としてかなりセキュリティーにやかましいシステム管理者のいるネットワークでは、かなり苦しい条件かもしれない。

接続してみないとなんとも言えないけれど。結果は後日また日記で報告したい。

 

というわけで、4時間ほどの会も早くも終了。短いがとても充実した会でした。

参加させてもらって良かった!

オブザーバー参加を許してくださった中川先生、そして討議に参加させて頂いた先生方、どうもありがとうございました。m(__)m

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