内留見聞記1 2003年4月19日 小松市立国府小 校内研究会 |
加賀産業道路沿い、辰口町よりにある学校。周囲はたいへんのどかな田園風景。
午後の授業で金沢の社会施設見学グループ行動の内容を決める総合的な学習の時間を参観。
グループで行きたいところ、交通手段を調べて決定している。ネットで情報が集められない子にも、計画全体の見直しも、TT的に学担以外の先生たちも支援。
5〜6年の4クラス七十数名の一斉活動、学担4人では支援は難しいところだが、他の先生方もちゃんとフォロー体制にあるようだ。
左は子どもたちの活動ワークシート。このような、活動の段取りをつけるためのワークシートが、教室前廊下の専用キャビネットに種類別に用意され、子どもたちは自由にそこからワークシートを取り出し、書き込んで活動の計画を立てていた。 (用意されていたシート) 自主プラン用紙(左写真)…これはこの遠足専用 電話連絡 ファクス送信計画 校外活動報告(安全、マナー、時間厳守、相談、目的達成のチェックシート) 話し合いテーマ議事録 買いもの記録 必要なお金(予算) 活動自己評価チェックシート、自由作文評価用紙など
学校の総合の方針として、地域素材を活かした行事的な活動がひとつ、ものづくりを中心に据えた学年学級総合がひとつ、全学年を通じた英語活動がひとつ、三者が総合の大きな柱となっているそうだ。体験活動がかなり大きな比重を占めている。
右は昔遊びコーナー。 下は昨年度の6年生が総合として取り組んだ縄文のくらし体験の成果、竪穴式住居! 料理体験やその中での宿泊体験も子供の希望としてあがっているそうだ。ダイナミック!
地域素材と体験活動重視、そこに「どんな力を育てたいか」という視点をいかにうまく組み入れていくかが今年の課題とのこと。 体験活動はそれ自体、本物にふれるという価値、体験そのものがもたらすカタルシスがあるが、ともすると、時間的なマネージメントが甘くなりずるずる教科の時間をくいつぶしていく危険がある。どんな力をつけようとしているか、そのためにどんな仕掛けを埋め込むかを常に意識していないと総合というなの行事になってしまうと思うので、このベクトルはとても大切だと感じた。 必要だと思ったこと。 つけたい力として ・コミュニケーション力(表現力?) ・計画力(段取り能力?) をメインにしていたが、それらを総合的な学習の時間だけで追究するのは無理があると思う。 力をもっと子どものあらまほしき姿のレベルを洗い出して、どの活動はどの姿に結びつけようとして行うのかを関連づけすることだろう。それをすべて総合の中に組み込んだら、総合は105時間なり110時間ではとても収まらないし、活動としても冗長になってしまうと思う。この力は教科のこの単元でつけておける力、これは行事のここでつけておける力というふうに切り分けて、どこに力点を置くか明確にしないと拡散的な活動になりがちな総合では支援と評価のしようがなくなってしまうと思う。 学習環境として面白いと思ったのは、図書室の奥に隣接したPC室。両者の位置関係としては理想的だと思う。PC室のPC配置は自前工事のようで、キーボードやマウスに貼られた名称シールなど手作りの味を感じる。ただ、PCの配置は壁際コの字配置にしたら、中央に活動スペースができて、よりいいと思った。今の配置では調べてまとめての相互乗り入れ作業ができないのでもったいない。 図書室にはボランティア司書さんが来るらしいが、本日は不在。保護者の方だろうか? 松任、野々市、美川は専任司書(ただし臨採が多いのが残念)配置で理想的だが、人件費的にどこの自治体でも実現できる物でもない。ボランティア司書を募る試みは正しい方向性だと思った。作業量と勤務時間、学習との連携のマネージメントは難しいところが多いとは思うけれど。
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